<ビジョン具体化の現況>

1)再生フォーラムが関与して産み出したもの(運営に直接関与しているものもあれば、独立的に運営されているもの、その中間もある)
●釜ケ崎地域の高齢生活をささえる会
サポーティブハウスの経営者・福祉医療関係者・ボランティアなどを中心に、地域の高齢者・障害者の生活課題を検討している。健康、介護の問題の学習会や施設見学会も実施。独自フォーラムも開き、地域福祉の新しいしくみをさぐる。運営は2000年の開設時から独立。
●釜ケ崎地域通貨委員会
カマ通貨(1円=1カマ)を導入し、「生活づくり」「仕事づくり」「コミュニティづくり」を支援する。2001年11月から本格的に実施し、03年現在、サポーティブハウス居住者を中心に約250人が「カマ通貨手帳」を所持。再生フォーラムが選任の流通促進コーディネーターも配置している。 →くわしくはこちら
●釜ケ崎ボランティア養成講座
釜ヶ崎で継続的にボランティア活動をする人材を養成することを目的に2001年秋より実施。釜ヶ崎ボランティア養成講座実行委員会と共催。 →第3回ボランティア養成講座のご案内参照
●釜ケ崎ボランティア連絡会
ボラ養成講座修了者の継続的ネットワーキング。独自運営を追求している。
→ボランティア連絡会
●菜園の会
単身高齢者の生きがいと健康づくりがねらい。現在は、地域内の町会長さんに和泉市に畑を借りてもらって、それを運営している。
●「投票へ行こう!社会再参加キャンペーン」実行委員会
03年4月の統一地方選挙の中で誕生し、成果をあげた。立候補者(党)への公開質問状や公開討論会を開催する。選挙ごとに実行委員会をたちあげる方式。
→前回の様子
●萩之茶屋たすけあいネット
 地域の医療福祉現場にたずさわる個人・団体の相互たすけあい組織。同時に、事例を通して行政への提案をする西成区ケア検討会(公的制度)につながるしくみ。地域福祉計画に沿った住民参加の一形態ともいえる。独立した運営委員会に移行予定。
→詳しくはこちら
●各種調査活動チーム
その一つは「医療とまちづくりの経済シュミレーション・チーム」
野宿者に早期医療の実施や生活保護適用という積極的対策をうった場合の費用対効果等について、計量経済学の手法を用いて検証していくプロジェクト。大学関係者との協働で進行中。
その他、「地域の住宅資源調査チーム」「まちづくりききとりキャラバン」等がある。
●大阪・東京・NYサポーティブハウジング交流会
山谷地区やNYで、住まいづくり・まちづくりに取り組んでいるNPOと随時交流し、情報や意見を交換している。 →NY&釜ヶ崎 サポーティブハウジング経験交流会の記録
●「kama-fo-rumメーリングリスト」とホームページの運営管理
開かれた市民運動として、情報や意見の交換、透明な運営、ボランティアや寄付金の獲得のために不可欠なツール。前者は03年現在会員約230人。
2)再生フォーラムとの協働関係の中で他団体が産み、他団体が運営しているもの
●サポーティブハウジング(生活支援付き住宅)事業
簡易宿泊所(日雇労働者向けホテル)に共同リビング(ハード)や生活相談体制(ソフト)を備えて、地区単身高齢者用アパートに転用した通過型住居。現在9軒(オーナー6人)に約900人が入居。多くが野宿経験者。2003年にサポーティブハウス連絡協議会が発足し、さらなる地域貢献をめざす。
→サポーティブハウジング
●簡易宿泊所空き室2000室活用プラン
地区全体の緊急野宿者対策用として、シェルター(収容)路線とは異なる在宅型支援コースを簡宿組合が市に99年に提案。無視されたが、多様な道の必要性・官民連携・大幅節税等の点で有効と考える。03年には、就労支援やNPOとの連携等をからませた複合的プロジェクトとして府市にフォーラムも提案(予定)
●簡宿短期宿泊援助制度
上記プランの先行トレーニングを兼ねた社会貢献策として、簡宿組合が1日6?10室を無料提供。西成労働福祉センターを紹介窓口とする官民連携で実施中
●野宿予防かけ込み寺事業
野宿寸前や直後の人の緊急避難居室として、簡宿オーナーが数室を時限的に無料提供している
●グループホームJOY
アルコール依存症精神障害者グループホーム。既存ののぞみ作業所+サポーティブハウスの居室+隣接のマンションのリビング、の合体でできた、大阪市初の分散型グループホーム。のぞみ作業所とこれを基盤にして社会福祉法人釜ケ崎ストロームの家が成立(2003年9月)
●太子福祉館
旧銀行ビルを買収した簡宿オーナーが3階をまちづくり運動のために貸し出している
●釜ケ崎ボランティア・研究者優待制度
優良で継続的なテーマで取り組む場合、簡易宿泊所への無料宿泊などが可。簡宿オーナーの厚意で実現。フォーラムが審査し、現在2名に適用中。
●釜釜介護事業
要介護となった元釜ケ崎労働者を、ヘルパー資格をとった釜ケ崎労働者が介護するコミュニティビジネス。介護問題と雇用づくりの同時解決をめざす。地域内のいくつかのNPOが試みているが、困難も多い。
●生ごみリサイクル事業
NPOシチズンホームライフ協会が実施した。環境系市民団体や近郊農家と連携し、有機野菜を販売するまでのプロセスで、元野宿生活者も雇用する。指導した大谷磐雄氏の死去により、中断している。
●NPO法人カマナビ
 各種研修活動の受け入れや、講師派遣など、マナビ(学び)を核にしたエンパワメント系事業を専門的に担う。釜ケ崎ボランティア養成講座修了生によって2003年に設立された。
3)その他(分類困難だが、フォーラムの影響の中で産まれたもの)
●萩之茶屋第6振興町会
フォーラムが「高齢者福祉モデル区域」と位置づけた区域(西成市民館や旅路の里、数軒のサポーティブハウスが集中する所)で約15年ぶりに再建された(2002年)。フォーラム参加者たちによって発案され、ささえられている。
●西成市民館建て替え準備委員会
萩之茶屋第6振興町会が2003年に設立。フォーラムからも委員が参加し、全面協力している。フォーラム主催および共催のワークショップ「もしも西成市民館を建て替えるとしたら?」(2001年と2002年)の成果も引き継がれている。 高齢者住民のための地域福祉総合センターをめざす動きとなっている。
→詳しくはこちら。